院長ブログ

2012.10.14

わたし的な幸福論

勉強の秋なので、今日は学会に浜松へと出かけていました。

特別講演は南三陸町で父親の代から約60年開業されていた医師の津波に遭遇して、

その凄まじさと、体験しての人生観という内容でした。

そんな話を聞いていると、幸せとは何か?と考えてみました。

「幸福になることが目標」という言葉の意味の無さにも気がつき、

「幸福よりも大切なものがある」という道徳めいた言葉に反抗していた若い頃を過ぎた今になって

幸福とはなるものではなく、気がつけばいつも近くにあるものだと”分かりかけてきた気がします。

津波で家が流され仕事もなくなった人の”自然の圧倒的な力に、自分のちっぽけさを自覚し、

そんな自分に向けられた無償の善意がひたすらありがたく、生きていて良かったと感じた”

という体験を聞き、来るかもしれない東海地震に必要以上に心配し、

投げやりな考えに支配されるとしたら、それこそ不幸の思う壺なのかもしれない。と思う。

それと似た考えは診療中によく遭遇する。「なんか身体が悪いような気がして、心配だ」

そんな心配ができるとしたら、もしかしたら健康なのかもしれないですよ。

さて新幹線でこんなことを考えていた私の、先週の幸せは、

診療後、書類の整理をしていた時に、スタッフルームから聞こえてきた、

仕事が終りほっとした従業員同士の笑い声に気がついた瞬間でした。

ね、近くでしょう!?