院長ブログ
2014.04.02
美奈子と「花子とアン」
この前の日曜日、私は不安と楽しみを抱えていました。
新しいNHKの朝ドラの視聴率は大丈夫だろうか?という不安と、
私の大好きな物語の誕生秘話をやってくれるんだよな~という楽しみと。
すると、小さな赤毛の女の子が私の前に現れて、
「何かを楽しみにして待つということが、そのうれしいことの半分にあたるのよ。
そのことがほんとうにならないかもしれないけど、でも、それを待つときの楽しさだけは
まちがいなく自分のものよ」と、話してくれました。
そして私が待った”そのこと”、NHK朝ドラ「花子とアン」が始まりました。
今までのブログにも”赤毛のアン”の中の言葉を引用していたように
私はこの物語を読んで育ち、アニメを見て大きくなりました。
何か1冊だけ、本を孤島に持って行って良いならば、この本を選びます。
いろいろな人の訳がありますが、もちろん慣れ親しんだ”村岡花子”さんのそれで。
さて、ドラマの方は。。。
オープニングは東京の空襲のさなかに翻訳しているシーン。
「曲がり角をまがったさきになにがあるのかは、わからないの。
でも、きっといちばんよいものにちがいないと思うの。」
これはじつは最終章、「道の曲がり角」の一節。もう数ページで訳が終るところなのです。
けれど、空襲から逃れるために持ち出せたのは原書と辞書。
画面を見て「原稿!原稿!」と叫んだ私でした。
空襲は1945年で赤毛のアンの初版が1952年なのはこの時に焼けてしまったからなんですかね。
ドラマはさらに"赤毛のアン"ファンの心をくすぐります。
教室で勉強しているときに、妹の髪の毛を引っ張られ、怒った花子が後ろの席の男の子の頭を
石版で割るシーンは原書ではアンの赤毛をからかったギルバートに対するそれですし、
何より第一週の「花子と呼んでくりょう!」はアンがAnnではなく「eのついたつづりのアン(Anne)で呼んでください」
とお願いしたエピソードそのものの題ですしね。
第一週からこんな調子で、あと半年私はもつのでしょうか?
朝からハイテンションで、スタッフに迷惑がられるかもしれません。(自制、自制)
最後に、ドラマのオープニングで使われているのは
物語の舞台プリンス・エドワード島にある、
アンがもらわれた家=緑の切り妻屋根(グリーンゲイブルズ)です。
写真は今から6年前、”赤毛のアン”が出版されて100年にあたる年に、
この地を同じ赤毛のアン好きの友達と訪れたときに撮ったものです。
赤毛のアンの原題は"Anne of Green Gables"なので、もちろん最初はここからなんですね。