院長ブログ

2017.04.23

タイムマシン

学校検診の時期が始まりました。私も看護婦さんと今週出かけました。
行きのタクシーは70歳以上かと思われる方でラジオから演歌が流れていました。
前のブログにもタクシー運転手さんとの会話を載せていますが、高齢の方が多いです。
「40代以下なんていませんよ。私も定年を伸ばしていますし」なんて話を聞いていました。

帰りの運転手さんは茶髪でどう見ても20代。
「僕、23歳です。運転手さん若いね。っていっつも言われます!」とあいさつしてくれた。
聞けば身内の仕事を手伝っており、普段は自動車整備、時間があればタクシーも手伝うそうだ。
そんな運転手さんは働いて貯金し、ローンはまどろっこしいから現金でアメ車を買う予定だという。
(トランプ大統領が聞いたら泣いて喜びそうだ。)
夜のタクシーでは酔っぱらいを乗せ、グダグダ不平不満をぶつけられることが多いらしい。
「散々いい気持ちで飲んだ天国から、家=現実って地獄なんですよ。
俺、ハイハイって言っています。あんまり深くは聞いてないっすけどね。」
(メンタル強いなぁ~)
「俺ね、散々悪いことしたんですよ。原付で教室に行きましたし、鍵が付いているバイクなんか見ると
動くかどうかちょっと運転してみたりね。」
(♪盗んだバイクで走りだし~♪)
「悪いことすると、境界がわかるんっすよ。もうやばいって。高校までで知ったから、後はまともっす。
やばいのは大学から悪いこと覚えだして、友人とかをねずみ講とかに誘う奴っすよ。」
「だから俺、ねずみ講の講習会に行って一番前で聞いて、要するに友達関係を壊して金儲けすることなんですね。
って言ってやりました」
(熱い男だよ!)
話をしながら塩野七生さんの言葉を思い出した。
後の歴史から見て、ローマの最盛期は悪名高い皇帝ネロの時代。つまり悪もまたエネルギーと。
私が行った学校には彼のような児童はいなかったけれど。

学校から病院までの時間、昭和の若者を思い出させるような会話をして過ごしました。
バブル時代を思い起こさせるような。。。運転手 師匠と呼ばせていただこう。