院長ブログ

2017.05.05

「学力の経済学」について

大型連休には大型書店!と東京に行ったついでに丸善に寄り、ブログのネタになるような本を物色してきました。
話はそれますが、私の希望は鉄道高架より大きい書店が沼津に欲しいです。
今回選んだのは「学力の経済学」。沼津図書館にもありますが予約が5人待ちの人気本です。
著者は教育経済学者で独身。子供に関することを記すのに親じゃなきゃだめってこともないはずで、客観的な文章が受けているのかな?
東大の理3(医学部)に子供3人(だっけ!?)入れたお母さんの教育論って読んでもねぇ~
ちなみにこの東大の理3に子供を入れたお母さんの本は沼津図書館では2冊あり1冊だけ借りられており予約人数は0でした。経済学的に言えばマーケットは独身女性が著した「学力の経済学」を支持している。ってことかな?

この本は体験記を集めたものでは無く、多くの体験を集めた規則性を説明しています。
当然、日本の教育は「私の経験では~」というのが主流なので、アメリカでの教育実験の結果です。
例えばテストの点数が良いとおこづかいを与える子供たち(結果に褒美)と、本を読んだり学校での態度が良かったり(努力に褒美)するとおこづかいを与える子供たちでは、努力に褒美組の学力がアップ。
自尊心を高めるようにメッセージを送った大学生(ほめた群)と、そんなメッセージを受け取らなかった大学生(ほめなかった群)では、ほめたからといって成績は上がらない。という結果。
むしろ実力を伴わないナルシストを育てることになる!という警告が。
その他、勉強しなさい!は無意味。ゲームを制限してもその分が学習時間になるわけではない。など親ならばうすうす気が付いているような内容がありました。

さて、本はシビアに株をいつ買えばもうけが出るか?(もちろん安く買って高く売る)という話みたいに
”教育という投資をするのはいつが効果的で、リターンが大きいか?”という方向に。
もちろん「学力だけが人生じゃない!」という意見もそのとおりですが、経済学では”子供の目が生き生きしてきた”なんて基準はないようで結果を進学率、年収、持ち家、生保率、逮捕率で測るという。。。アメリカなので日本とは違いますが、国家の財布には重要な要素なようです。だって税金払ってくれるのか税金からの補助を必要とするのかなんだもの。
小さいときは好きなように、中学入ったらしっかり勉強してもらおう。では既に遅く幼児期に学習環境に介入するのが最も効果的な結果を生むようです。それじゃあ、小さいときに塾通わせないと!と焦る必要はありません。
学習環境とは点を取ることではなく、しつけだったり健康の管理だったり。。。
というのもしつけ(ウソつかない、他人に親切にする、ルールを守る、勉強する)を親から教わった子は教わってない子と比べると年収が86万高いそうな。86万ていったら月にして7万以上ですよ!
これを世の結婚適齢期の女子に向応用するなら、ウソつかない=浮気しない。他人に親切=DVしない。ルールを守る=遅くなるときは連絡する。勉強する=昇級試験に一生懸命勉強するよ。なんて目で彼氏を見ると年+86万かもしれません。

最後に本の中で、学力を向上させる最も費用が少なく、それでいて効果が高い方法は???何だと思います?
なんと、学力によって将来得られる年収の差についてのデーターを知らされること。だそうです。ちゃんちゃん。

学力の経済学