院長ブログ

 ミヒャエル・エンデの児童文学”モモ”。子供のころに読んだ人もいるだろう。
”モモ”という作品に流れる主題は”時間”だ。
作品の中で時間は「すべての人間はそれにかかわっていて、よく知っているけど、
そのことを考えてみる人はほとんどいない」と表現されている。
モモの敵＝灰色の男たちは、人々に無駄な時間を節約させる。
その節約した時間を盗んで生きている”時間ドロボウ”なのだ。

                                     
例えば床屋に、客と話している時間や気になっている女性に会う時間、
母親のことを気に掛ける時間、一日を振り返るほんの15分でさえも
”無駄にしている時間”と吹きこむ。
中年の床屋の焦りに付け込んで”４２年、毎日８時間寝ている！その分人生損している！
これが貯蓄に回せていたら、もっと違う人生だったでしょう”
と、睡眠時間でさえも盗むために時間を削らせようとする。
まんまと時間ドロボウに騙され時間を貯蓄した人たちは、買えるものは増えたけど、
余裕のない生活になった。おしゃべりが消え、笑いが消え。。。
話す言葉と言えば「時間がない、時間がない」
以上は”モモ”の前半のストーリーだが、
もし、”モモ”に出てくる人のように睡眠時間を削っているとしたなら、
その人は自分の中に時間ドロボウを住まわせているといえないだろうか？
私がそう考える理由、つまり睡眠の大切さについて今回は書いていきたい。