院長ブログ
2021.11.06
幸せな結末 ~ツバメのふうFINAL~
オスカーワイルドの”幸福の王子”を紹介しよう。
町の高いところに建つ王子の像はみんなの自慢で”幸福の王子”と呼ばれていました。
ある夜、エジプトに渡ろうとしていた1羽のツバメは王子が泣いているのに気が付きます。
「幸せに生きたけれど、それは宮殿のなかだけで、像になって町を見渡すと
不幸なことだらけだ。泣かずにはいられない」と。
そして王子は「ツバメさん、ツバメさん、小さなツバメさん。
もう一晩泊まって私のお使いをしてくれないか」とツバメにお願いし、
ツバメは王子の頼みを聞き、ルビーやサファイア、体を覆う金箔を貧しい人に届けます。
暖かいエジプトに渡りたいので最初は渋々王子のお使いをしていたツバメだけど、
貧しい人が幸福になるのを見るにつれ、エジプトへ渡りたい気持ちが薄まっていき、
そして寒い冬に、ルビーもサファイアも無く、金の体でもなくなってしまった
”みすぼらしい幸福の王子”の足元でツバメは死にます。。。
我が家のツバメさん”ふう”が毎日ベランダの手すりに帰ってくる。
我が家のツバメさん”ふう”が毎日ベランダの手すりに帰ってくる。
ふうにとっては家に帰って餌を食べることは生きるためだった。
(一人前の顔をしているが、エサをねだった後)
そうやって、ふうを助けていたつもりだったけど、
(一人前の顔をしているが、エサをねだった後)
そうやって、ふうを助けていたつもりだったけど、
いつの間にか、それ以上に私たちにとっては生きる支えになっていった。
夏から秋にかけて、”あっ”という間に大人になったふうとの時間は
共に生きていることの幸せを、しみじみかみしめた日々だった。
そのふうも9月21日から来なくなった。南の国に渡っていったのだと思う。
(幼いころとの比較。幼いままでもよかったのだけど)
ツバメは渡り鳥で、春に南の国から日本に戻りつがいになり子育てをする。
(幼いころとの比較。幼いままでもよかったのだけど)
ツバメは渡り鳥で、春に南の国から日本に戻りつがいになり子育てをする。
秋になるとまた南国に渡り、そこで越冬する。
日本から例えば南の国の一つフィリピンまでは4600km。
ツバメではないが、同じ渡り鳥のコムクドリはこの距離を1カ月かけて渡るそうだ。
ツバメも似たようなものだろう。
家に来なくなった直後は、「ふうは今頃、どこにいるんだろう」そればかり考えていた。
「あんな羽で何千キロも渡っていけるのだろうか」と悪いことばかりを想像していたが、
あれから1か月以上たって、今頃ふうはフィリピンのセブ島あたりでバカンスを楽しんでいるのだと思っている。
そして春になるとふうは日本に戻ってくる。
研究によれば、巣立ったヒナが同じ場所に戻ってくる確率は4%らしい。
そしてツバメの平均寿命は2年。。。
そしてツバメの平均寿命は2年。。。
ふうと再会できる可能性は限りなく低いが、元気で生きてさえくれればいいと思っている。
むしろ私たちが生き続ける間、ふうは生きているだろうから、
ふうだけが返ってくる場所が我が家にあり、それをふうが間違えないように
沼津で元気に働き続けようと思う。
”幸福の王子”のラストでは、ツバメが死んだ瞬間、王子の鉛の心が割れてしまう。
ふうだけが返ってくる場所が我が家にあり、それをふうが間違えないように
沼津で元気に働き続けようと思う。
”幸福の王子”のラストでは、ツバメが死んだ瞬間、王子の鉛の心が割れてしまう。
ふうが来なくなった後、私の心にはツバメの形をした穴が空いてしまった。
渡った直後はベランダを見ると、その穴に直接触れヒリヒリしていたが、
時間がたって、心の穴も丸みを帯びてきた。
最高に幸せの結末だったと思っている。
最後に。。。
患者さんやいろいろな方から、ふうを気にかけていただきました。
私には、ふうの話ができることはとてもうれしいことでした。
ありがとうございました。
(あまりに寂しいので、こんなスタンプを作って友人に送りつけています)
渡った直後はベランダを見ると、その穴に直接触れヒリヒリしていたが、
時間がたって、心の穴も丸みを帯びてきた。
最高に幸せの結末だったと思っている。
最後に。。。
患者さんやいろいろな方から、ふうを気にかけていただきました。
私には、ふうの話ができることはとてもうれしいことでした。
ありがとうございました。
(あまりに寂しいので、こんなスタンプを作って友人に送りつけています)