院長ブログ
2022.07.20
いびき・無呼吸を考える(1)
最近はいびき・睡眠時無呼吸症の相談を受けることがとても多くなった。
そこで潜在的には4~500万人もいるといわれる、いびき・睡眠時無呼吸症について今回は考えてみたい。と、言うことでまずは何故人間(多分)だけがそうなるのかを紐解いてみよう。
え~人類は約700万年前にチンパンジーと分岐した。
そこから原人として直立二足歩行して石器を使っていた数百万年での成果は石器の切れ味が上がったことと、棒の先端を鋭くすることぐらいだったが、30万年前くらいから火を使うようになった。
火の効果は絶大だ。ライオンから身を守れるし、調理ができる。
そのままでは食べずらい木の実やイモ類も加熱すれば食料となる。
チンパンジーが1日のかなりの時間を生のエサの消化に費やすのに対して、火で調理すれば噛むのも消化するのも楽になった。
そうすると今まで消化に回していたエネルギーを他に回せる。
みなさんは収入が増えたら、増えた分のお金をどう回すだろう?食費に回す?レジャーに回す?
人類はどうやら教育費に回したたようで脳が大きくなった。
そしてもう一つ、ごつい顎(あご)は必要なくなったので顎は小さくなった。
(旧人と現生人との比較)
顎が小さくなるとその中に納まるために舌は奥に下がっていく。そのためのどが長くなった。
(チンパンジーと現生人の”のど”の比較)
現生人の”のど”はチンパンジーと比べて長い。
のどが長くなったことと、脳が成長したことで”言葉”を話せるようになったと考えられている。
チンパンジーだって「ライオンに気をつけろ!」と仲間に伝えることはできるが、人間はもっと具体的に「サバンナの池のほとりに気がたったライオンがうろついているから気をつけろ」と伝えることができる。そして言葉は文化の土台になる。
だが、一方で長いのどは狭くなると”いびき・無呼吸”を起こす。
進化で言葉を話すようになった一つの代償に”いびき・無呼吸”があると言えないだろうか?
ということで、次回は治療について考えてみる。