院長ブログ
2022.10.16
秋のドライブ
静岡に来て間もないころ、戸田書店を「ヘダショテン」と言って、地元の先生に「静岡県民でもあまりない”ツウ”な読み方をしますね」と笑われた。
戸田(ヘダ)出身の看護師さんから戸田のことをいろいろ聞いていたから、そう読むものだと思っていた。
縁あって沼津で開業し、これまた縁あって戸田出身の看護師さんと働き、さらに縁あって戸田小・中学校の校医になった。
秋は就学時検診の時期で来年春に戸田小に通う年長さんを検診に行く。
戸田までは車でおよそ1時間ちょっと。途中の西浦では、早生みかん”由良(ゆら)”がこの時期に出回る。由良は酸味、甘味、皮の薄さ、みずみずしさ、どれをとってもバランスの良いミカンらしいミカンで私もスタッフもこの時期を楽しみにしている。
(由良みかん。東海道線の色を思わせる)
戸田小学校は検診の日を病院の休みに入れてくれるので、ドライブのような気分になれる。これは本当にありがたい。今年の検診(ここ数年は1桁の人数で、今年は5人でした)を終え、修善寺を回り伊豆縦貫道に乗って帰ることにした。
途中の戸田峠の展望台はその昔、目の見えない三味線弾きの女性(=ごぜ)が大雪の日にここで亡くなった、その冥福を祈る観音様がまつられていた。ウッドデッキを進み展望台の突き当りに立つと、戸田の御浜が一望できた。もし、”あぁ、野麦峠”のパロディー映画”あぁ戸田峠”を私が監督するなら、ラストシーンはここで「ヘダが見える」のセリフだろう。と思うほど、御浜がくっきり見えていた。
さて、修善寺から大仁、函南は鎌倉時代に焦点を当てた今年の大河ドラマのゆかりの地。
歴史の教科書では源頼朝が鎌倉幕府を開いて、二代目頼家は修善寺に幽閉さて暗殺、三代目実朝は鶴岡八幡宮で暗殺され、源氏の正当な将軍は三代で途絶えた。と習った。
社会の先生はそれ以上詳しくは説明してくれないので、私はずっと修善寺というお寺で、座敷牢に頼家が拘束されている姿を想像していた。「かわいそうに、狭いところに閉じ込められて暗殺されたんだな」と。富山から静岡に来て、修善寺が地名と知った時は「なんだ頼家、結構自由だったんだ」と思った次第です。。。そんなことを考えながら縦貫道は岡宮で終了。春の戸田への検診がまた楽しみだ。