院長ブログ

2023.08.27

夏休み2023

略語をどう表現するかでその人の頭の中がわかることも多い。
MIは私が医学生ならば”心筋梗塞”だったかもしれないが、今年の夏は、いや、1996年からは”ミッションインポッシブル”以外の何物でもない。
1996年というのは第一作目が公開された時で、その前提となる「スパイ大作戦」も何も知らず、”トム・クルーズ”×”アクション”の期待感でゴ〇ブ〇ホイホイにつられるゴ〇ブ〇のようにホイホイ見に行った。
「トップガン」のトムが純度99.99%の”カッコいいの結晶”なら、「ミッションインポッシブル(以下MI)」のトムは”濃縮カッコいい”と言えないだろうか!?その”濃縮かっこいい”見たさに、MIシリーズを映画館に全作ホイホイしている。
そんな私から見て、濃縮がさらに濃縮されている、シリーズ最高”かっこいい”トムは2000年に公開された2作目であろう。
何がかっこいいかって、一番盛り上がる、さあこれから敵と対決だ!という登場シーンでトムは白いハトを引き連れているのである。今時オリンピックの演出にもハトは使われないだろう(東京2020に使われていたらゴメンナサイ)。白いハトに先導され、決め顔で歩ける顔は世界広しと言えどもそうはない。どうにかして汚れたように見せたいハンサム俳優、ブラピやキアヌでははっきりと役不足といってしまおう。かっこいいいの王道をいっていないと、白いハトに先導はしてもらえないのである。(トムも一時期汚れをやったことはあるが。。。)
と言うことで、この作品はトムのカッコよさに反比例し、逆に敵が最高にトホホだ。だから(?)私がこの作品で最も好きなシーンは、自分をフッた彼女がトムを好きになり、自分を罠にはめようとするMaxトホホな心境で放った「お前に化けるのは、15分ごとにアホっぽく笑うから難しい」という白いハト男トムに精一杯の嫌味を言うところである。
「やっぱりトムはかっこいいよね~次も♡」となった3作目は私をふるいにかけるような作品だった。3作目のトムは結婚し、IMFのインストラクターだ。2作目で見せたドアップもない。そうだよねだって、トムも40代だもの。カッコいいだけではなくアクションで魅せていくと宣言した作品となった。と言うことで4,5,6作目はアクション一直線だ。
さて、前置きがとても長くなって申し訳ないが、この夏休みは7作目の「MIデッドレコニング」を見に行った。(以下小ネタばらしあり)
予告編にも出てくるローマでの観光名所付きのカーチェイスを終え、トムのチームがベニスに集合する。このベニスで5作目から出ている氷の女スパイ的な役どころのイルサがネコ娘になる瞬間がある。おっと、これは2作目以降影を潜めていたトムのモテ男路線が復活か!?と、どぎまぎしたものの、結局は一瞬「ごろにゃ~ン」として終わりだった。
このシーンではトムのイーサンはあんなに世界各国周っているのにベニスは初めてということがわかる。イーサンより早く13年前、私は母親とベニスを観光した。ベニスと言えば映画「旅情(Summertime)」ということで、キャサリン・ヘップバーンになり切った母と観光ついでにロケ地を巡り、ヒロインが一目ぼれする赤のヴェネチアングラスが売られていた店(=ヒロインと恋に落ちる男が経営する小物店)の近くで写真を撮った。
今回のミッションインポッシブルでイルサが敵のガブリエルと闘う橋に似ているが、ベニスの大体の橋はこんな感じ。この写真を撮った日はベニスのごみの日だったようで、母親がごみの袋を踏まないかドキドキしたことをイルサの戦闘シーンで思い出してしまったよ。まあ、ベニスの人にも生活があるってことで。

映画は世につれ、世は映画につれではないけど、シリーズ物は映画を思うと同時にその頃の自分を思い出させてくれる。1作目は焼津で麻酔研修を受けていた。IMFに入るにはどうしたらよいのか?と悩んだ(何せ27歳)私にも、トムにもあれから同じ30年近くが流れた。もうね、イーサンがIMF長官にならなくても、トムがアカデミー賞を取らなくてもいいよ。なるべく長く、私に映画を見せてくれれば。