院長ブログ

2024.12.04

のどじまん

インフルエンザにかかっているかどうかを、AIによる顔認証みたいにのど認証する機器が売られている。その名もnodoca(ノドカ)。ノドカは見た目で診断するので、鼻の検査をしなくていいことがメリットの一つで、もう一つは発熱直後から診断可能ということだった。しかし、この2つのメリットをもってしても、当院のメイン機器ミナカ(=私)の方がまだましなのだ。ということで、扁桃に焦点をあてた前回のブログに続き、今回は”のどちんこ”と呼ばれる口蓋垂のまわり”軟口蓋”の世界に皆さんを誘いたい。軟口蓋の風景も、扁桃の同様に雄弁に病名を語ってくれる。

(左が手足口病、右がヘルパンギーナ)
マイナンバーカードの顔認証もノドカの”のど認証”もパターン認識だ。この精度はコンピューターのメモリを増やしても向上しないことがわかっている。メモリを増やしコンピューターのパワー上げても細かく覚えるだけで、それでは口紅の色を変えるだけで他人の顔と判断してしまう。口紅をかえても、もっと言うなら3年前に撮影したマイナンバーカードの写真でも、今の顔と同じ人と認証するにはある程度コンピューターに忘れさせることが必要らしい。パターンつまり一般化は、あらゆる詳細からではなく要点を記録することで可能になる。
ノドカは現状インフルエンザだけなので、インフルエンザ以外もパターン認識できるミナカの方がまだ有用なのだ。

(左が正常な軟口蓋、右は溶連菌)
ミナカが右の軟口蓋を見たら「絶対溶連菌!」と心の中で思う典型的な軟口蓋だ。そしてこの見た目の場合、検査という答え合わせでは100点満点を取る。
では次の軟口蓋たちはどうだろう?今までの写真をみて次の写真でパターン認識してみて欲しい。

診断というパターン認識は典型例を基本に、それの薄いパターンも同じカテゴリーと認識する仕事でもある。この3つはすべて溶連菌だった。ミナカは最初に溶連菌の検査を選び正解にたどり着いている。
コツは?
AIも人も”ディープラーニング”が大事なようで。